ICOM・IC-R8600解説
　エアバンドワッチの経験を積んで、いろいろ知識を付けてくると、受信環境にもだんだん高い性能や機能を求めるようになってきます。

また、空港だけでなく家でも快適にエアバンドを聞きたい、という欲求も沸いてきたりします。もちろん、ハンディタイプのレシーバに屋外アンテナでも良いですが、性能・機能にこだわるならデスクトップ機の出番になります。価格は比較にならないくらい高価になりますが、受信性能や使いやすさは高級機ならではです。　

 

　アイコムから発売されているデスクトップの高級機「IC-R8600」を徹底解説します。エアバンドワッチの環境のステップアップとして、参考にして下さい。

IC-R8600のスペック

　IC-R8600の主なスペックは以下の通りです。

 

(1)サイズ　幅220mm × 高さ 90mm × 奥行230mm (突起含まず)

(2)重量　　約4.3kg (本体のみ)

(3)電源　　DC13.8V (消費電流:スタンバイ状態 1.8A 受信音量最大時 2.0A

(4)受信周波数範囲　0.01～3,000MHz (途中、一部非対応周波数あり)

(5)電波型式　USB、LSB、CW、FSK、AM、FM、WFM及び各種デジタル変調に対応

(6)アンテナ入力コネクタ　対応周波数ごとに3種類実装

(7)メモリチャンネル　通常用2000＋各種スキャン用400

 

詳細なスペックは、こちらのリンクをクリックして頂き、アイコムのホームページからカタログを

参照してください。

 
デスクトップ機ならではの優れた操作性

　携帯性を求める小型軽量のハンディタイプと異なり、デスクトップ機の優れたポイントは操作性の良さです。

　

スペースに限られたハンディタイプでは、一つのスイッチに複数の機能を持たせることが多く、操作も複雑になります。そのため、操作を覚えるのもなかなか大変です。

機能の多い機種では、取扱説明書を携帯したり、スマートフォンにダウンロードするなど、いつでも見られるようにしておかないと、いざという時に困ることがあります。

 

　その点、デスクトップ機ではパネルのスペースが大きいので、スイッチをたくさん配置できます。スイッチ自体も大きめに出来るため、表示が見やすくなります。必要な機能が直感的に判りやすく、かつ素早い操作が可能になります。これがデスクトップ機の魅力です。

 

　また、IC-R8600では大型のカラー液晶ディスプレイを装備していますので、多くの情報が判りやすく表示されています。これも操作性の向上に繋がっています。

 

快適な受信を支える高い性能

　デスクトップタイプのレシーバーは、ハンディタイプと違いボディサイズの制約を受けにくいので、内部の部品も大きな物が使えます。当然、ハンディタイプよりも高い性能を得ることが出来ます。受信感度・受信音量など、デスクトップの高性能なら、長時間のエアバンドワッチも快適に楽しめるでしょう。

 

　また、ハンディタイプで最も気になるバッテリの残量も、当然ながらデスクトップなら全く気にする必要はありません(外部電源を準備する必要はありますが)。安心してエアバンドワッチを続けることが出来るのがデスクトップのメリットです。

大容量かつ多機能なメモリ

　メモリ機能の多機能さもデスクトップ機の魅力。IC-R8600では通常メモリ2000チャンネルに加え、スキャン機能用のメモリなども合わせると合計2400チャンネルになります。

 

　メモリには漢字でタイトルを付けることが出来るので、聞きたい管制セクションを素早く簡単に呼び出すことが出来ます。

　また、メモリを利用した多彩なスキャン機能も搭載されており、「この便の管制交信は絶対聞き逃したくない！」といった場面で有効です。

 

大きな設置スペースと外部電源が必要

　デスクトップタイプのデメリットを挙げるなら、「設置スペース」と「重量」になると思います。

　IC-R8600のサイズは「幅220mm×高さ90mm×奥行230mm」となっており、机の上でもなかなかの場所取りとなります。また重量は約「4.3kg」ですので、そこそこの重さがありますね。


　さらに、電源が「DC13.8V」ですので、直接家庭のAC100Vコンセントに接続することは出来ません。別途DC13.8Vを供給できる「安定化電源」などが必要となります。

 

安定化電源
第一電波工業「DSP500」

　しかし、これらのデメリットを差し引いても、やはりデスクトップ機の高性能は、ハンディタイプでは絶対出来ないものです。初めは安価で持ち運びやすいハンディタイプで十分ですが、「もっと快適に、多彩にエアバンドワッチを楽しみたい」とか、「エアバンド以外にもいろいろ無線を聞いてみたい」と言う方には、デスクトップ機が一台あると良いと思います。

 

　机の上に、ドーンと１台デスクトップ機があると、どこか

風格と言ったものを感じて、エアバンドの受信がより楽しく

なりますよ。

 

パソコンと接続してメモリー管理が簡単に！

　オプションのプログラミングソフト「RS-R8600」を使用すれば、パソコンでIC-R8600を遠隔操作することが出来ます。

　WindowsパソコンとIC-R8600をLANやUSBで接続し、専用ソフトをインストールする事で、ほぼすべての機能が遠隔で操作できます。

 

　また、クローニングソフト「CS-R8600」を使えば、メモリの編集・管理がパソコンで出来ます。

　
 

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