IC-R6とDJ-X100、どちらを選ぶか?
 2023年11月現在、国内で販売されているワイドバンドレシーバーは、アイコムの「IC-R6」と、
アルインコのDJ-X100」の2製品です。これからワイドバンドレシーバ―を購入するならどちらを
選ぶと良いか、それぞれの製品仕様などを比較して、目的に合った選択を考えてみたい思います。
少しでも安く買うなら「IC-R6」一択

 「IC-R6解説」のページにも記載していますが、「DJ-X100」定価が\99,000(税込)とやや

高めです。これに対して「IC-R6」の定価は\28,380(税込)です。

 

 「DJ-X100」は、アナログ系の受信のみでなく、「デジタルモード」の受信が可能です。「デジ

タルモード」については後ほど解説しますが、ワイドバンドレシーバ―を「エアバンドワッチ」で使用する事がメインになるなら、高価な「DJ-X100」よりも価格重視で「IC-R6」を選択するのが良いと考えます。

 

 価格帯で考えるなら、まず「IC-R6」、ワイドバンドレシーバ―の活用範囲を拡大したくなったら、次のステップとして「DJ-X100」を購入する、という選択ができます。

 

サイズと重量はほぼ互角

 結論から言えば、どちらの製品もサイズと重量はほとんど変わりません。具体的には高さで24ミリ、厚さで2.7ミリの違いしかありません。DJ-X100の方がほんのわずかに大きいですが、私としてはほぼ同じと言って良いと考えます。

 

 重量もDJ-X100が約60グラム重いですが、これもほとんど感覚的にはほぼ同じと言えるでしょう。少しでも軽くしたい

なら「IC-R6」を選択することになります。

 

いろいろなジャンルで活用するなら断然DJ-X100

 DJ-X100は国内・海外の様々な「デジタルモード」に対応しています。これがDJ-X100の価格の

理由と考えられます。業務用に使用されている一般業務用無線や、アマチュア無線の「D-STAR」

にも対応しています。

 また、情報量の豊富な液晶ディスプレイを活用して、航空管制で使用されている「ACARS」の文字

情報を受信して表示することが可能です。

 

 IC-R6はアナログのAM/FM/WFMにのみ対応していますので、DJ-X100の対応力の広さが良く判ります。

 

 ただし、デジタルモードを使いこなすには、その規格を良く理解し、それを使っている業務などを知っておく等、いろいろな知識が必要です。初心者にはちょっと難しいかも知れません。

 

 エアバンドワッチがメインの用途となるなら、デジタルモードは基本的に必要ありません。もし、エアバンド以外のジャンルの通信も聞いてみたいと考えるなら、DJ-X100を選択すれば

良いと考えます。

 

バッテリーライフはどちらも十分な能力あり

 IC-R6・DJ-X100ともに、市販の乾電池が使えます。空港周辺の屋外で行うことが多いエアバンドワッチでは、途中でバッテリーが切れたときにどこでも簡単に入手できる乾電池が使えるのは大きなポテンシャルです。

 肝心のバッテリーライフは、IC-R6が約19時間(アルカリ乾電池使用時)、DJ-X100が約16時間

(バッテリパック/乾電池・GPS/ラジオオフ)ですので、ほぼ互角の性能を有しているといえます。

 

 DJ-X100ではGPSやラジオ機能のオン/オフで、バッテリライフが短くなりますが、それは多機能な

DJ-X100だからこその事と考えれば理解出来ますね。

DJ-X100は屋外でのタフな使用でも安心

 DJ-X100だけが有する機能に「IP67相当の防塵・防浸性能」があります。屋外で使うことが多い

ワイドバンドレシーバ―ですので、埃に強いのは大変頼もしいです。また、急な雨でも安心です。

 

 IC-R6には防水性能はありませんので、天候が悪い時に屋外で使用する場合は、雨に濡れたりしないように注意する必要があります。またあまり埃が多い場所での使用も、故障を防ぐためには注意

したほうが良いでしょう。

シンプル操作か、多彩な操作性を選ぶか

 DJ-X100にはテンキーボードと大型液晶ディスプレイが備えられています。テンキーボードは周波数の変更や、各種機能の操作が素早く簡単にできるため、多機能なレシーバーには絶対欲しいです。 また、表示が大きく見やすいのでさらに操作性が向上します。エアバンドワッチで多用するメモリ

機能でも、見やすく理解しやすいメモリーネームを付ける事が出来ます。

 

 IC-R6にはテンキーボードはありません。7つのボタンとメインダイアルを駆使していろいろな操作を行う事になりますので、テンキーボードのあDJ-X100と比較すると操作性は劣る気がします。

 しかし、エアバンドワッチを主体に使うなら、多彩な機能を多用する場面は多くありません。

それなら逆に、シンプル操作のIC-R6の方が使いやすい、という事も十分にあります。

 

 いろいろな機能を多用して、エアバンド以外にも使いこなしたければDJ-X100、エアバンドワッチに特化してシンプルに使うならIC-R6、という選択が良いでしょう。

  

初心者にお勧めのIC-R6、2台目のレシーバーならDJ-X100もあり

 IC-R6とDJ-X100の主な仕様を比較して、用途に応じた機種選択を考えてみました。

私の考えですが、結論として

 ・初心者にはシンプル操作で安価な、IC-R6がお勧め

 ・エアバンドワッチ以外のジャンルに活用したり、ベテランが2台目に持つなら

  DJ-X100もあり

というように考えて良いでしょう。

あとはご購入される皆さんのご予算・デザインの好みなどもあるでしょう。


 この記事が、皆さんのより良い選択の助けになればと思います。

 

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