航空管制の仕組みを知ろう

空港の展望デッキなど、空港周辺でエアバンドワッチをする時、管制の指示を聞きながら航空機の動きを的確に追うためには、空港施設についての知識が必要になります。
例えば「誘導路」にはそれぞれ名称が付いています。それを知らないと、航空機がどんなルートを地上滑走していくのか、追うことが出来ません。
このページでは、大分空港を例に、エアバンドワッチに必要な空港施設の解説をします。
- 1.大分空港の平面図
- 2.スポット
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「スポット」は航空機が駐機する場所です。「駐機場」とも言われています。
スポットには番号が付けられており、航空管制ではこの番号により、航空機がどのスポットに駐機しているかを識別することが出来ます。
例えば下記の平面図で、紫色を付けた航空機のマークは「8」番のスポットに駐機しています。航空管制では「スポット・エイト」とそのまま呼びます。
航空機が着陸して、駐機場へと移動する際などに、「Taxi to Spot-8(タクシー トゥー スポット エイト・・・ スポット8へ地上滑走せよ)」のような管制指示に使われます。
このエリアにいる航空機は、「クリアランス・デリバリー」または「グランド」が担当します。
「クリアランス・デリバリー」は羽田・成田・関西などの大規模空港のみに設置されています。
大分くらいの規模の空港では「グランド」が担当している事が多いです。
- 3.エプロン
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「スポット」を含めた、航空機の駐機スペース全体の事を「エプロン」と言います。
旅客機の場合、駐機場には前向きで入りますので、出発時はバックでスポットを離れます。しかし、自力でバックする事は許可されておりません(やろうと思えば出来ます)ので、専用の車両で押し出してもらいます。これを「プッシュバック」と言います。
下記の平面図では、航空機がスポットを離れて左方向にプッシュバックされています。これは滑走路01より離陸するためです。航空管制では、「Push back to Runway-01(プッシュバック トゥー ランウェイ01 ・・・ 滑走路01方向にプッシュバックせよ)」のように指示されます。
なお、羽田空港のような巨大空港では、滑走路ではなく機首の向きでプッシュバック方向を指示される事が多いです。「Push back Face to North(プッシュバック フェイス トゥー ノース ・・・機首を北向きにプッシュバックせよ)」のような指示になります。
プッシュバックの指示を発出する担当管制も、通常「グランド」になります。
- 4.誘導路(タクシーウェイ)
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「誘導路(タクシーウェイ」は、スポットを滑走路を繋ぐ移動ルートです。ある程度運航頻度が高い空港に設置されています。
誘導路には「平行誘導路」「取付誘導路」があります。滑走路と平行に設置されているのが「平行誘導路」、平行誘導路と滑走路を接続しているのが「取付誘導路」です。誘導路には名称が付いています。下記の平面図では、「P-0」から「P-5」と付いているのが「平行誘導路」、「T-0」~「T-6」と付けられているのが「取付誘導路」です。
航空管制の指示は「Taxi to P-1,P-0,T-0 Runway-01(タクシー トゥー パパ-1,パパ-0,タンゴ-1 ランウェイ-01・・・ P-1,P-0,T-0経由、滑走路01へ地上滑走せよ)」のようになります。
設置されている誘導路の種類や数、名称は空港の規模や形状等で変わります。また、小規模空港では誘導路が設置されていない事が多いです。その場合、航空機はエプロンから滑走路に入り、離陸位置まで滑走路を地上走行します。
誘導路で滑走を始める時は、管制は「グランド」が担当していますが、滑走路が近づいてくると管制担当は「タワー」に移管されます。このタイミングは空港によって異なります。
- 5.滑走路
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「滑走路(ランウェイ)」は航空機が離陸・着陸するための施設です。滑走路には番号が付いています。これはおおよその滑走路の方位を示します。真北を360度として、例えば190度方向に向いた滑走路には「19」の番号が付いています。
大分空港の滑走路は北方向6度と南方向186度に向いており、これに対して「01」と「19」の番号が付いています。それぞれ「R/W-01」「R/W-19」などと表記し、管制では「ランウェイ ゼロ・ワン」「ランウェイ ワン・ナイナー」と呼んでいます。
下記の平面図は、航空機が滑走路から離陸していく様子を示しています。この時、管制から航空機へ離陸を許可する管制指示は「Runway-01,Cleared for Take off(ランウェイ-01 クリアード フォー テイクオフ ・・・滑走路01より離陸を許可する)」のようになります。
滑走路手前の誘導路から、離陸までを管制するのは「タワー」になります。
- 6.空港周辺空域
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離陸した航空機は、管制を「タワー」から「デリバリー」に引継がれて、空港周辺に設定されている出発ルートに沿って航空路を目指していきます。空港によっては「デリバリー」の代わりに「レーダー」に引継がれる事もあります。
逆に、着陸のため空港に接近してくる航空機は、航空路の管制から「アプローチ」や「レーダー」に引継がれ、空港周辺に設定されている進入ルートに沿って空港を目指します。着陸が近づくと管制が「タワー」に引継がれて着陸してきます。
ここまで、このページでは空港施設と管制の流れを解説しました。モデルとした大分空港と同等規模の空港は全国各地に多くありますので、参考に出来ると考えます。
なお羽田・成田・関西・新千歳などの大規模で複雑な構造を持つ空港では、管制の流れも複雑になります。例えば羽田空港では、国内線ターミナルが2つあり、それぞれのエリアでグランドの担当が異なります。また、滑走路ごとにタワーの担当も分けられています。
これらの空港でエアバンドワッチを行う時は、当サイトで解説している管制周波数などの他、空港の管制をそれぞれ詳しく解説しているサイトがありますので、事前に十分確認しておきましょう。