航空管制で使われる用語を覚えよう

 航空管制では主に英語が使われます。

しかしそれは「英会話」のような流暢なものではなく、どちらかといえば英単語を並べた専門用語の羅列・・・のような感じです。

発音も、聞き慣れれば十分聞き取れるレベルの発音ですし、中には航空管制独特の発音もあります。

 

 従って、ある程度の専門用語を覚えて聞き慣れれば、大抵のことは聞き取れるようになります。要は「習うより慣れろ!」ということです。
BGMのように航空管制をレシーバーから流しておいて、耳を航空管制の音に慣らしていきましょう。

 

 このページでは、覚えておきたい基本的な用語を解説します。

1.コールサイン

 コールサインとは、管制官とパイロットが交信する際に、お互いに相手を識別するための、いわば名前のようなものです。
名前の付け方が決まっていますので、それを聞けば誰と誰の交信かすぐわかります。

(1)航空機のコールサイン

 航空機側は便名がコールサインになっています。航空会社の呼名+便名の形式です。例えばJALやANAの場合は下記のようになります。


 ・JAL300便の場合
   JALの会社名・・・ジャパンエアー + 便名・・・300
   コールサイン ・・・ 「ジャパンエアー スリーゼロゼロ
 ・ANA246便の場合
   ANAの会社名・・・オールニッポン + 便名・・・246
   コールサイン ・・・ 「オールニッポン ツーフォーシックス


 ※国内の主な航空会社のコールサインは、 こちらのページでご紹介します。

(2)ターミナル管制のコールサイン

 管制官側のコールサインは2種類あります。ターミナル管制と、航空路管制です。
ターミナル管制とは、空港周辺及び空港内を担当する管制です。以下のようなコールサインとなっています。


 ・東京国際空港(羽田空港)の、飛行場管制の場合
   羽田空港の管制名称・・・トウキョウ + 飛行場管制の名称・・・タワー
   コールサイン ・・・・・「トウキョウ タワー

(3)航空路管制のコールサイン

 航空路管制は、航空路を飛行する航空機を管制します。日本では、大きく4つのエリアに分けて管制を行っています。それぞれのエリア名に、「コントロール」を付加してコールサインとしています。


 (1)札幌航空交通管制部・・・サッポロコントロール
 (2)東京航空交通管制部・・・トウキョウコントロール
 (3)福岡航空交通管制部・・・フクオカコントロール
 (4)神戸航空交通管制部・・・コウベコントロール

2.フォネティックコード

 航空管制では専門用語の他に、数字やアルファベットなどを用いた指示が行われます。


 例えば空港内で駐機場から滑走路まで地上滑走する際、使用する経路を指示する「TAXI Via T-4.(誘導路 T-4を経由して地上滑走して下さい)」などの指示が出ます。

 この時「T-4」を指示するのに普通の会話通りに「ティー・フォー」と指示すると、無線の音声では「T」「P」「B」などのよく似た音は識別しにくくなります(日常生活でもありますね)。


 無線通信では、アルファベットを識別しやすくするために「フォネティックコード」を使用して表現しています。例えば前述の「T」なら、「ティー」と言わず「タンゴ」と言います。「Tango」の頭文字「T」で「ティー」の事を示すのです。


 フォネティックコード国際的に決められたコードですので、基本的に万国共通です。これに則っている国であれば、どこでも同じように表現されるので、間違いが起こりにくくなります。
 航空無線を受信するうえで必ず必要な知識ですので、フォネティックコードは覚えましょう!

 

【フォネティックコード一覧表】

アルファ
ベット
フォネティック
コード
アルファ
ベット
フォネティック
コード
アルファ
ベット
フォネティック
コード
アルファ
ベット
フォネティック
コード
A アルファ H ホテル O オスカー V ヴィクター
B ブラボー I インディア P パパ W ウィスキー
C チャーリー J ジュリエット Q ケベック X エックスレイ
D デルタ K キロ R ロメオ Y ヤンキー
E エコー L リマ S シエラ Z ズルー
F フォクストロット M マイク T タンゴ    
G ゴルフ N ノベンバー U ユニフォーム    


 また、航空管制では一部の数字を少し独特の発音で表現します。これも聞き間違いを防止するための工夫です。

  ※独特な発音を赤字で強調しています。

数字 発音・表現 数字 発音・表現
0 ジロ 6 シックス
1 ワン 7 セブン
2 トゥー 8 エイトー
3 トゥリー 9 ナイナー
4 フォー 100
ハンドレッド
5 ファイフ 1000 タウザント

 例えば「39,000」を表現する場合は、「トゥリー・ナイナー・タウザント」というような感じになります。

3.管制で使用される用語

 航空管制ではいろいろな用語が使われています。これらの用語については、「用語表」のページに掲載しています。