- 1.なぜ屋外アンテナが必要なの?
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ハンディタイプのワイドバンドレシーバーには、必ずアンテナが付属しています。このアンテナでも、自宅内でエアバンドを受信することは可能です。
ではなぜ、自宅では屋外用アンテナの設置をお勧めするのでしょうか?
それは電波の性質により、建物内では受信感度が大幅に低下するためです。
航空管制で使用されているVHF(超短波帯)の電波は、建物など障害物の影響を受けやすい性質があり、室内では電波が届きにくくなってしまいます。
空港の近くなど、電波が非常に強い場所であれば、自宅の室内でもレシーバー付属のアンテナで十分に航空管制を聞くことが出来ますが、上空を飛行する航空機の電波などは、室内ではなかなかクリアに聞こえない場合がほとんどです。
そこで、電波を受信しやすい屋外にアンテナを設置するわけです。
屋外であれば、建物の影響が少ないので、受信感度が格段に向上します。ただしビルの陰などでは、電波が遮られてしまうため、受信感度が低下する事がありますが、それでも屋内よりも受信環境が良いことには変わりません。
このことから、自宅でもエアバンドワッチを楽しみたいなら、屋外アンテナを設置すべき・・・と言っても良いでしょう。
- 2.設置しやすい小型軽量アンテナ「D190」
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まず第一に、アンテナをどこに設置するかが重要ですが、ここではマンションやアパートの場合を想定します。
マンションやアパートで屋内にアンテナを設置する場合、自由に使えるスペースに限りがあります。代表的な設置場所はベランダの手すりです。あまり重量のある物を取付ける事は困難ですので、出来るだけコンパクトかつ軽量であることがアンテナ選びのポイントになります。
この点で、第一電波工業(株)の「D190」は全長87cm、重量520gと、この条件をバッチリ満たしています。
組立も簡単で、初心者でも説明書を読みながら20~30分あれば組立て出来ると思います(組立てには別途、プラスドライバー・7mm及び8mmのスパナが必要です)。
第一電波工業
ディスコーンアンテナ
【D190】D190は「ディスコーンアンテナ」と呼ばれるタイプのアンテナです。「ディスクエレメント」という水平に取付けられる素子と、「コーンエレメント」という斜め下向きに取付けられる素子を、同心円状に設置します。
この直径が最大約36cmで、組立が終わると開いた小さな傘のようになります。注意点として設置する際に、この「コーンエレメント」が多少邪魔になる事があります。設置する前に周りの状況をよく見て、干渉するものがない事を確認しておきましょう。
この条件さえクリアできれば、コンパクトで軽量のD190は、マンション・アパートでの快適なエアバンドワッチにうってつけの屋外アンテナと言えます。もちろん、戸建て住宅での設置もOKです。
- 3.広い受信周波数でエアバンドにも対応
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D190は、100MHzから1500MHzの非常に広範囲な周波数に対応しています。航空管制で使用される周波数は、当然ですが余裕でカバーしています。
この他にも、アマチュア無線や各種業務用無線の周波数帯にも対応していますので、ワイドバンドレシーバーをエアバンドワッチ以外に活用したい時に、D190なら幅広く対応してくれます。
ただし、最近は消防無線などの業務用無線にはデジタル通信が採用されており、通常のワイドバンドレシーバーでは受信する事が出来なくなってきました。貴重な公共の財産である電波の効率利用を考えると、致し方ない事ですがちょっと残念ですね。
- 4.同軸ケーブルやコネクタが初めから付属
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屋外アンテナを設置する場合、アンテナの他にも以下のようなものが必要となります。
(1)同軸ケーブル ・・・・・・ アンテナからレシーバーまでの距離分必要
(2)同軸コネクタ― ・・・・・・ 同軸ケーブルとレシーバーの接続用
(3)アンテナ設置用ベース ・・・ ベランダの手すりに取付けるベース
詳しくは「快適受信のための設備」ページで解説していますのでご覧ください。
これらのうち、D190には「同軸ケーブル」が最初から付属しています。長さは10mあるので、マンションのベランダに設置した場合、レシーバーを窓近くに置けば十分届く長さがあります。ケーブルの太さは5mm程度なので、屋内への引き込みも楽です。
また、同軸ケーブルには「M型」の同軸コネクタが標準で付いています。コネクターを同軸ケーブルに取り付けるには「はんだ付け」を行う必要があり、またケーブルを決められた寸法で加工しなければならないため、初心者には取付が大変難しい作業です。
M型→BNC型
変換コネクタM型→SMA型
変換コネクタ従って、コネクターが最初から付いている同軸ケーブルは、初心者には大変助かります。
なお、ハンディタイプのワイドバンドレシーバーでは、アンテナのコネクターに「SMA型」か「BNC型」が多く使われています。このためM型のコネクターを接続するためには変換コネクターを別途用意する必要があります。
左記のリンクより、通販サイトにて変換コネクターを購入できますので、ご利用ください。
- 5.ケーブルの引き込みは窓から簡単に!
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「快適受信のための設備」ページで、屋外アンテナを設置する際の同軸ケーブルの通し方について解説しています。
コメットCTC-50M
エアコンの配管穴を利用する方法ですが、最近のエアコンでは配管穴が室内機の裏側に隠れてしまうタイプがあったり、配管を化粧ダクトで覆い、配管穴が見えなかったりと、なかなか条件が合わない場合が見られます。
そのような場合にうってつけなのが、「窓・ドア隙間すり抜けケーブル」です。非常に細くて薄い板状のケーブルになっており、窓やドアの隙間にピッタリハマることが出来ます。
例えばコメットの「CTC-50M」なら必要な 隙間は僅か約2mm! ほとんどの窓の隙間をすり抜けることが出来ます。
もちろん、ケーブルを挟み込んだままで窓の開閉が出来ます。「アンテナを設置したいけど、どうしてもケーブルが引き込めない」という方には非常におススメの商品です。「CTC-50M」には両端にM型コネクタが付いていますので、D190と接続する場合は変換コネクタは必要ありません。
D190を製造している第一電波工業でも、同じようなケーブル「MGC50」が発売されています。
5D-2V型同軸ケーブル
(長さ10m)なお、「窓・ドア隙間すり抜けケーブル」を使用する場合、別途屋内側で使用する同軸ケーブルが必要です。お勧めは右のようなコネクタ付きのケーブルです。
同軸ケーブルは、いろいろな長さや太さの製品が販売されています。ご自宅の環境に適した同軸ケーブルをご用意ください。
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エアバンドを自宅で聞くなら屋外アンテナを設置
ワイドバンドレシーバー を購入したら、空港だけではなく自宅でもエアバンドワッチを楽しみたいと考えるのは当然ですね。レシーバー付属のアンテナでも自宅内で受信することは可能です。
しかし、マンションや住宅などの建物内には電波が届きにくく、レシーバーの付属アンテナでは受信性能が大きく低下します。
そこで「その他のアイテム」や「快適受信のために」のページで解説しているように、アンテナを屋外に設置すると遠くの電波をクリアに受信することが出来るようになり、快適なエアバンドワッチが可能となります。
このページでは、屋外用アンテナの代表として、第一電波工業製の「D190」を紹介します。
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